清凉寺の御朱印と仏像の見どころ

もくじ
  1. 御朱印
  2. お寺の見どころ紹介
  3. 清凉寺の歴史
  4. 国宝 釈迦如来像
  5. 釈迦如来像のエピソード
  6. 胎内に納められた五臓六腑
  7. 清凉寺式釈迦像
  8. 霊宝館
  9. 国宝 阿弥陀三尊像
  10. 一切経蔵
  11. 仁王門
  12. アクセスについて
*もくじをタップするとジャンプします。

御朱印

京都の嵯峨野にあり嵯峨釈迦堂の名で親しまれている清凉寺でいただける御朱印は『釈迦如来』の1種類でした。
御朱印料(値段)は300円です。
清凉寺のオリジナル御朱印帳は紺地に金色で清涼寺の家紋とロゴが印字されたシンプルなものです。

①『釈迦如来』 京都十三佛霊場 第二番札所
②御詠歌 京都十三佛霊場 第二番札所

 

清涼寺の御朱印『釈迦如来』

【お寺の見どころ紹介】

仏像好きな方は清涼寺を訪れる際は霊宝館が特別公開されている時期に行かれることをお勧めします。
霊宝館の特別公開時期は
毎年【春季】4月1日~5月31日【秋季】10月1日~11月30日です。

清凉寺 本堂

清凉寺の歴史

清凉寺は、阿弥陀三尊をご本尊とする棲霞寺(せいかじ)と釈迦如来をご本尊とする清凉寺という二つの寺院が一つになったものです。

棲霞寺は、平安時代初期、嵯峨天皇の皇子である左大臣、源融(みなもとのとおる)の一周忌にあたる寛平8年(896年)に、息子の昇が建立したと伝えられています。寺院は源融の別荘であった栖霞観(せいかかん)を改築して建立され、融が生前に造立発願して果たせなかった阿弥陀三尊像を子息の昇が造り、これを安置した阿弥陀堂を棲霞寺としました。

清凉寺は、東大寺出身の僧侶、奝然(ちょうねん)上人が宋の仏師に命じて造らせた釈迦如来立像を祀るために建立されました。釈迦如来立像は、古代インドの王様がお釈迦様の存命中にそのお姿を彫らせた像を、そっくりに摸刻させたもので、「インド – 中国 – 日本」と伝来したことから「三国伝来の釈迦像」「生きているお釈迦さま」とも呼ばれます。
奝然は中国から持ち帰ったこの仏像を安置する寺院を建立しようとしましたが、比叡山延暦寺の反対にあいその願いを達しないまま奝然は亡くなりました。奝然の死後、弟子の盛算(じょうさん)が遺志を継ぎ、棲霞寺の境内に寺院を建立したのが清涼寺です。

ご本尊 国宝 釈迦如来像

御本尊はいつでも見られるわけではありません!
御開扉は、毎月8日午前11時以降と4月・5月、10月・11月です。

お寺の歴史でも紹介したように、このご本尊は奝然上人が宋より持ち帰ったという古い仏像です。
本堂に安置されています。本堂でこのお釈迦様をしげしげと拝観していると、お坊さんがこのお釈迦様がこの清凉寺にきたときのエピソードを丁寧にお話してくださいました。その場には私たち以外いなかったのですが、15分程度お話してくださったと思います。お話される前には、『お釈迦様のお話をさせていただくのに15分程お時間かかりますがよろしいでしょうか』とこちらの時間の都合をきいてくださったので、とても親切だなと思いました。

 

お坊さんが話してくださった
釈迦如来像のエピソード

このお像はお釈迦様が37歳の時の生き姿をうつしたお像です。当時のインドの王様が毘首竭摩(びしゅかつま)に栴檀(せんだん)の木で造らせたそうです。
そのお像を見たお釈迦様は、自分と寸分違わぬこのお像を見て大変驚きそして喜び「私が亡くなった後は、この像が私に替わって人々を救うことでしょう」と言いました。
その後、このお釈迦様の生き姿のお像はインドからヒマラヤを越えて中国へと伝えられました。
奝然上人が宋へ行き摸刻させたという仏像は、このお釈迦様の生き姿をうつした仏像なのです。
そして、お釈迦様の生き姿を摸刻した仏像を日本へ持ち帰ろうというある日の夜、摸刻した仏像とインドから伝わった仏像が入れ替わったのだそうです。そして、その入れ替わったインドより伝わるお釈迦様の生き姿を写した仏像を奝然上人は日本へ持ち帰ったという伝説が伝わっているそうです。

そのことから、清涼寺のご本尊釈迦如来像は「インド – 中国 – 日本」と伝来した「三国伝来の釈迦像」「生きているお釈迦さま」と呼ばれているのです。

 

釈迦如来像の胎内に納められた五臓六腑

この国宝釈迦如来像ですが、古代インドの仏像にしても、宋の時代の中国で彫られたにしても大変古い仏像です。昭和28年、そんな大変古い仏像の中から絹で作られた五臓六腑が発見されました。これは、1000年以上昔の時代の中国において人間の胎内の構造を知っていたことを示すもので、解剖学的にも大変貴重な資料です。
この胎内に納められた五臓六腑のオリジナルは絹製ということもありけっこうヨボヨボなのですが、レプリカを見ることができます。その五臓六腑の形や配置はとても正確で、何の知識のない私が見てもどの臓器かわかるほどです。

 

清凉寺式釈迦像

この清涼寺の釈迦如来像は鎌倉時代~江戸時代にかけて大変人気を博し、現在でも日本各地に1000躯あまりの清涼寺式釈迦像と呼ばれる仏像が残っています。
清涼寺式釈迦像とは・・・※ここからはデザイン的な説明なので私の独自の表現で伝えます
清凉寺式釈迦像の特徴は古代インドで彫られたオリジナル釈迦像を摸刻したものと言われていますので、その特徴をあげてみます。この特徴に合致したら『この釈迦如来は清凉寺式だね!』なんて言ってみてください。仏像を見るのがもっと楽しくなります!
清凉寺式釈迦像特徴3つ
①螺髪(らほつ頭のつぶつぶ)が渦巻き状になっている
②衲衣(のうえ服)のドレープ(ひだ)がとても多く左右対称である
③衲衣の首元の開きが狭く肩もはだけていない
です。手のポーズが施無畏印(せむいいん手上向き)と与願印(よがんいん手下向き)なのは、釈迦如来像ではスタンダードなのであえて特徴に入れませんでした。

 

清凉寺 本堂から望む庭と弁天堂

霊宝館

特別公開時期は毎年
【春季】4月1日~5月31日
【秋季】10月1日~11月30日です。

霊宝館では国宝の阿弥陀三尊をはじめ貴重な仏像がたくさん見られます。
阿弥陀三尊は霊宝館の一番の見どころですが、他には重文 文殊菩薩騎獅像重文 普賢菩薩騎象像重文 兜跋毘沙門天など迫力のある仏像があり見ごたえがあります。
ひとつずつコメントをしたいところですが、あまりにも長くなってしまうので国宝の阿弥陀三尊像のみ私の個人的な感想を含めご紹介させていただきます。

国宝 阿弥陀三尊像

この阿弥陀三尊像は清凉寺のはじまりとなった棲霞寺(せいかじ)のご本尊であった仏像です。
嵯峨天皇の皇子である左大臣、源融(みなもとのとおる)が生前に造立を発願して果たせなかった阿弥陀三尊、その願いを息子の昇がこの阿弥陀三尊を造立しました。

この阿弥陀三尊の見どころポイントは、イケメンであるということ!
この阿弥陀三尊を発願した源融は光源氏のモデルとなったといわれる風流貴公子(つまりイケメン)であったと伝わります。その源融が亡くなる直前に自分の顔に似せて作らせたのだそうです。
そういわれてみると、、、確かにイケメンです!シュッと通った眉頭から鼻筋、ふっくらすぎない頬、たくましい胸板。源融は本当にイケメンだったのかもしれませんね。

この阿弥陀三尊は、イケメンということ以外にも注目していただきたいポイントがたくさんあります。
中央に阿弥陀如来、左右に観音菩薩と勢至菩薩とセオリー通りの三尊ですが、脇侍(サイドの2躯)のお姿が珍しいのです。一般的な観音様のお姿とは違い、五大虚空蔵菩薩の様な見た目をしています。定印(手のポーズ)も密教の定印を結んでいます。
この阿弥陀三尊、密教系の仏像が特に好きな私としてはたまらないです。三尊ともイケメンですし、スタイルもたくましく引き締まっていてそれでいてファッションは密教系!気に入った!!
中央の阿弥陀如来の光背(こうはい後ろの板)の化仏(けぶつ小さい仏)、こちらもびっくりさせられます。小さな小さな仏様がひしめき合っています。見ていると吸い込まれそうです。

一切経蔵

仁王門と本堂の間にある一切経蔵は本堂と霊宝館とは別料金ですが、拝観ができます。(別料金で100円)
一切経蔵の中には輪蔵といってとても大きなお厨子があり、そのお厨子の中には明版一切経(たくさんのお経)が入っています。この輪蔵はメリーゴーランドにように回転するようになっていて、輪蔵を回すことでそのお経をすべて読んだのと同じ功徳があるとされています。
清凉寺の一切経蔵では、この輪蔵を回すことができます。
輪蔵を回させてくれるお寺は少ないので私は大はしゃぎです。ムービーで撮影しました。
経蔵を回す初めの数歩はとても重たいのですが、勢いがついてくるととても軽く感じ、こんなにたくさんのお経が詰まっているのに不思議だなと思いました。
一切経蔵内部には、輪蔵の他に、四隅に四天王の仏像と正面に中国風の三尊にお像があります。

清凉寺 一切経蔵内 輪蔵
清涼寺 一切経蔵内 四天王

 

その他、この清凉寺には小野篁が冥界からの出口として使っていたと伝わる井戸もあります。
小野篁の冥界のお話は、六道珍皇寺でご紹介したいと思いますが、とにかく、こお清凉寺の井戸は京都の東山にある六道珍皇寺と冥界とこの世を繋ぐ道だったのです。

仁王門

道の行き止まりにあたる場所にドーンと構える重厚感のある立派な仁王門。
禅宗の三門を思わせるような二重の屋根になっています。内部もやはり禅宗の三門のように、2回部分には十六羅漢が安置されているそうです。
ゾウさんが飛び出していたので撮影しました。

清涼寺 仁王門
清凉寺 仁王門の彫刻
清凉寺 境内案内図

アクセスについて

【公共交通機関でのアクセス】
■京都バス
京都駅より大覚寺行き・清滝行き
⇒『嵯峨釈迦堂前』下車すぐ
■JR『嵯峨嵐山駅』下車、徒歩7分
■京福電鉄『京福嵐山駅』下車、徒歩約8分
阪急『嵐山駅』からは2.5Kmあるのでこちらの駅からのアクセスはお勧めしません。

【駐車場】
駐車場があります。
駐車料金 1日800円
駐車場も広いので自家用車で行っても安心です。

 

五台山 清凉寺(嵯峨釈迦堂)
京都市右京区嵯峨釈迦堂藤ノ木町46
■霊場
京都十三佛霊場 第二番札所
■拝観時間
9:00~16:00
(4月5月10月11月は17:00まで)
■本堂 拝観料
大人:400円 中・高生:300円 小人:200円
■本堂・庭園・霊宝館 共通券
大人:700円 中・高生:500円 小人:300円

Digiprove sealCopyright secured by Digiprove © 2017

2017年7月7日 by gogogosyuinnagither

コメントを残す