施福寺の御朱印と仏像の見どころ

もくじ
  1. 御朱印
  2. 施福寺の見どころ紹介
  3. 施福寺の歴史
  4. 本堂内の仏像
  5. 最難関の参道
  6. 満願滝弁財天
  7. 満願滝弁財天の御朱印
  8. アクセスについて

*もくじをタップするとジャンプします。

 

御朱印

西国三十三所の最難関と言われる長く険しい参道の施福寺では、御朱印『大悲殿』と御詠歌をいただきました。
西国草創1300年記念印入りです!
この他に『槙尾不動尊』『馬頭観音』『方違大観音』など数種類いただけます。
御朱印料(値段)は1つ300円です。

①『大悲殿』 西国三十三所 第四番札所
②『御詠歌』 西国三十三所 第四番札所
③『槙尾不動尊』
④『馬頭観音』
⑤『方違大観音』

御朱印のいただける場所は、本堂内の向かって右側の授与所に寺務の方がおられます。
寺務の方が座っている向かって左手奥にいただける御朱印の一覧が掲示してありましたが、奥まっていて何種類あるかまでは確認できませんでした。

寺務のおじさん、観音様のお話から、御朱印のお話『大悲殿』と『大悲閣』の違いなど
よくおしゃべりしてくださる方でした。
たくさんおしゃべりしてくださるので、西国三十三所以外の御朱印もくださいと言い出すタイミングを逃しました。

なので、今回は『大悲殿』と御詠歌のみの拝受となりました。

施福寺 御朱印と御詠歌

施福寺の見どころ紹介

施福寺は仏像好きなら一度は絶対に訪れておくべきお寺です。
古く素晴らしい仏像がたくさん安置されていて、手の届くほどの距離でゆっくりと拝むことができます。
あまり混雑はしないので、ほぼ貸し切り状態で拝観できると思います。

本堂内部の仏像は2015年1月より常時公開となったようです。
拝観料は1人500円です。

施福寺はオフィシャルHPがなく、ガイドブックにも積極的に掲載されるお寺ではないので、
その拝観情報を収集するのはとっても大変です!
ですが、近年は秘仏とされてきた多くの仏像が常時拝観可能となっております。
この情報も、お寺に行かれた方のBLOGをいちいち読んで確認しました。
またいつ通常公開終了となるかわかりませんので、この機会に是非訪れてほしいです!

お寺の方がTwitterで公開情報をつぶやいてくれたらいいのにな。

 

施福寺 御開帳の看板

施福寺の歴史

施福寺は大阪府和泉市にある天台宗のお寺です。
古くは槙尾山寺と呼ばれた山岳寺院で、葛城修験系の寺院として創建されたと伝わっていますが、
創建がとても古いので確かなことはわからないのだとか。
南北朝時代成立の寺史『槇尾山大縁起』によると、
仏教伝来から間もない欽明天皇の時代に播磨国加古郡の行満上人が弥勒菩薩を本尊として創建したものであると伝えられています。
それを、奈良時代の高僧、行基の高弟である法海上人が発展させたのが施福寺です。

また、修験道の開祖である役小角(役行者・えんのぎょうじゃ)が自ら書写した法華経の八巻を葛城山の各所に秘かに隠し、
最後の八巻目を埋めたのがこの山であったことから「巻(まき)尾(お)」の名が付いたとするこの地の名の由来の伝承も残っているのだそうです。

弘法大師空海もこの寺で修業を積んだと伝えられおり、仏門に入ることを決心して剃髪した御髪堂が山頂近くにあります。

施福寺 山門前の石碑

 

 

施福寺 本堂

本堂内の仏像

中央 ご本尊 弥勒菩薩座像

丈六仏 (約 4.85m) と思われる大きなサイズの弥勒菩薩様です。
弥勒菩薩とは、お釈迦様が亡くなって仏の教えも荒廃した56億7千万年後にこの世に降りて衆生を救う仏様です。

弥勒菩薩と表記されていますが、弥勒如来の見た目です。
螺髪(ツブツブ)頭に、シンプルな袈裟を纏われたお姿です。

脇侍 向かって左
札所ご本尊 千手千眼観音菩薩立像

西国三十三所のご本尊、千手千眼観音菩薩立像です。
大きさは等身仏(約1.8m)と思われるサイズです。
西国三十三所の仏像らしい雰囲気が仏像全体や光背のデザインから醸し出されていました。

この千手千眼観音立像にこのような伝説が残されています。

千手千眼観音菩薩立像にまつわるお話

宝亀二(七七一)年のこと、当時槙尾山寺に住んでいた摂津国の僧・法海のもとに、一人のみすぼらしい恰好をした修行僧があらわれ、夏安居(げあんご)の期間をこの寺で過ごさせてくれと頼みました。
この修行僧は客僧として槙尾山寺に置いてもらえることになり、夏安居の期間、熱心に修行に励みました。
予定の期間が終わり寺を去ろうとする際、客僧は帰りの旅費を乞うたが、寺僧はそれを拒みました。
すると客僧は怒り出し「何ということだ。このような寺はいずれ滅び去り、悪鬼の棲家となるであろう」と叫んで出て行ってしまいました。
驚いた法海が後を追うと、修行僧ははるかかなたの海上を、沈みもせずに歩いています。
これを見た法海は、あの修行僧は自身を戒めるために現れた観音の化身であったと悟り、千手千眼観音の像を刻んで祀ったそうです。

 

脇侍 向かって左
文殊菩薩立像

こ地らの文殊菩薩様は珍しく童子のお姿の文殊様です。
大きさは等身仏(約1.8m) サイズです。

文殊菩薩とは、実在した人物で、釈迦の弟子の中で最も優れた智慧を持っていました。
智慧によって悟りの世界へと導いて下さる仏様です。

一般的な文殊菩薩といえば、獅子に乗った蓮華座に座しておられ、
お顔はイケメンが多く、剣を持ち鎧の上に袈裟を纏っているというスタイルですが、
施福寺さんの文殊様は違いました!

頭には制多迦童子のようにお団子を8つ作ったヘアスタイルで、八字文殊と呼ばれるタイプのお姿です。
鎧は身に着けておらずしなやかな袈裟を纏っておられます。

文殊菩薩なのにトレードマークの獅子がいないなーと思ってみていると
いました!!獅子が!
文殊菩薩様が立っておられる蓮華座の下に獅子が丸くなって座っていました。

般若寺の文殊菩薩騎獅像が立像になった感じといったら伝わるのでしょうか???

 

四隅 四天王像

須弥壇の四隅には、四方を守る守護神の四天王が配置されています。

四天王は下半身に重心のあるどっしりと重厚感のあるお姿です。
色彩がとても鮮やかにのこっていますので、四天王のお顔が緑や赤などになっているのがわかりました。
鎧に施された截金細工や、宝冠や光背が繊細で、力強さと繊細さがマッチした素敵な四天王様です!

 

方違大観音坐像

拝観順路にそって次のお部屋に進むと方違大観音様がおわします。
こちらも丈六仏 (約 4.85m) と思われるサイズでとても大きく迫力があります。
お堂が狭く感じるほどにおおきなお像です。
観音様で丈六仏とは珍しいのではないでしょうか。

とってもゴージャスな宝冠をかぶられ、そのお顔はパーツまでダイナミックな感じです。
お腹がぷっくりしているところがチャーミングでした。

この珍しい観音様、方違大観音(ほうちがいだいかんのん)は
日本で唯一この施福寺にのみお祀りされている観音様です。
凶と出た方角を吉方に変えてくださるご利益があるのだとか。
例えば、お引越しの際に新天地が凶の方角となってしまったら、
この方違大観音様にお願いをすることで進展地が吉方となるそうです!
(と、寺務の方に教えていただきました。)

 

空海像と最澄像
二十八部衆

さらに拝観順路に沿って進むと、空海のお像と最澄のお像そして壁面にずらりと二十八部衆がおわします。
空海と最澄が同じお堂におられるのは珍しいことなのではないのでしょうか???
空海に縁のあるお寺ですが、近世には徳川家の援助で栄え、その関係で寛永年間頃に真言宗から天台宗に改宗したそうです。

 

慈恵大師良源御木造
弁財天と不動明王

そして、仏像ワンダーランドはまだまだ続きます。
本堂の一番奥の中央には、慈恵大師良源御木造
そして左側に不動明王と矜羯羅童子制多迦童子
右側には弁財天がおわします。

慈恵大師良源御木造は特別公開中だったと思います。

馬頭観音菩薩坐像

本堂内拝観の最後は、馬頭観音様です。
秘仏なので以前は60年に一回の御開帳でしたが、今は毎日拝観可能です。

施福寺の馬頭観音様は日本で唯一の珍しいお姿をしておられます。
まず坐像の時点で珍しいのですが、足の裏をこちらに見せる形で坐しておられます!

馬頭観音とは、頭頂に馬の頭をつけているのが特徴で、三面(3つのお顔)八臂(8本の腕)の憤怒(怒った表情)
とっても迫力のあるお姿をしておられます。
明王みたいですが、菩薩様なのです。
馬が草を食むがごとくあらゆる煩悩を断ち切ってくださいます。
昔は交通手段でもあった馬を守ることから、交通安全の意味でも信仰されています。

施福寺の馬頭観音様は、西国三十三所最難関と言われる険しい槙尾さんにおられることから
足腰が丈夫でいられるというご利益があります。

この参道を登ってこられる方は、そのご利益がなくてもずっと足腰丈夫な気がします。

施福寺 本堂前燈籠

最難関の参道

西国三十三所、最難関と言われる参道については
たくさん写真を撮ってきましたので、画像を眺めて参道を登るイメージトレーニングをしてみてください!

真夏に登った私からの持ち物アドバイス

  • お茶やお水(500mlでは足りなかった)
  • 塩飴(汗だくになる為)
  • 虫よけ(街では見ないサイズの虫が常時襲撃)
  • ひんやりタオル(濡らすと冷たいやつ)
  • おしゃれは不要(私はジョギングの装備でした)
  • 着替え(下山後は汗が絞れる程になる)

参道は約30分の険しい山道です。
では駐車場からスタート

参道のはじまりのお知らせ看板

駐車場を出てまずこの看板に出会いました。
参道に唯一一件ある商店でしか水分などをゲットできるチャンスはありません。

唯一の商店の商品ラインナップ

ビールも売っています。山頂の展望スペースで一杯やっている人もいましたよ。

施福寺難関のスタート地点

いよいよ参道へ。
杖は唯一の商店でも貸していただけますが、山門にもあります。

八丁

全行程で八丁あるそうです。
ここがスタート地点ということですね。
この先この数字が小さくなっていくので自分が何合目まで来ているか確認できます。

駐車場から山門までの道のり

ここはまだ山門の手前の上り坂です。
今までに登ったことがないくらいの傾斜でびっくりしました。
下りの際に膝がプルプルして大変でした!

六丁

しばらく登りましたがまだ山門にも到達せず。
すでにヘトヘト。
確か山門手前で六丁目でした。

施福寺山門

山門の両脇に杖が用意されています。
ここから先は石段の参道になります。

施福寺参道序盤で立ち尽くす同行者

とっても緑の美しい景色ですが、当人としては暑いし険しいし先は長いし・・・

山門後の小川にかかる橋
参道序盤

まだまだ序盤です。
この後、似たような美しい景色が続きます。
登っている当人は足元しか見ていません。写真撮るのもしんどい・・・

参道半分付近

途中、一か所だけ1台のベンチが置かれていて休むことができます。
それをこえ少しすると半分くらい登ったことになります。

そうです。この時は登るのに必死で何丁目かの石碑撮影ができていません!

半分過ぎたあたりからの石段

参道の半分を過ぎたあたりから、少しだけ登りやすい石の階段となります。
ですが傾斜がきついので、決して楽ではありません。

一丁付近の絶景

石の階段を1ゾーン登り終えたところに、木でできたベンチがあり、
木立の間から絶景が眺められます。
この日は空気が澄んでいたので遠く六甲まで見渡すことができました。

一丁

絶景ポイントが一丁目なので、あとひと頑張りです!

参道最後の階段付近大師堂

最後のひと頑張り付近にやっとお堂の一つがあります。
弘法大師が剃髪したと伝わる場所に建てられたお堂です。

最後の階段

最後の階段も結構険しいですが、これを登ったら本堂に辿り着きます。

のぼり終えました。
みなさん、息をきらしていますのでお参りしたい気持ちはあるのですが
まずは本堂脇のベンチにて呼吸を整えます。
男性の方はこちらでお着換えなさっていましたね。

山頂の絶景

山頂にも展望スペースが設けられています。
蓮が咲いていました。
山頂にお手洗いがありましたよ!
(利用してないのでわかりませんが、麓のお手洗いはボットンでした)

施福寺西国三十三観音堂

西国三十三観音様がお堂の中にびっしりと祀られております。

槙尾明神

参道を登ってすぐ右手に槙尾明神があります。
まだ登るのか。となってしまいますが、上には小さなお社があります。

以上が西国三十三所の最難関と言われる険しい参道でした。
事前情報で30分程かかるとのことでしたが、
私の足でもやはり30分かかりました。

満願滝弁財天

施福寺参道の入り口に『満願滝 弁財天』というお堂があります。
小さなお堂と、落差50m程の滝があります。
こちらでも仏像拝観と御朱印拝受ができますので、
施福寺から下山したら是非寄ってお参りなさってください。

満願滝弁財天 鳥居
満願滝弁財天 参道
満願滝

満願滝弁財天の御朱印

満願滝弁財天でいただける御朱印は1種類『大悲閣?』でした。
御朱印料(値段)は300円です。

満願滝弁財天の御朱印
満願滝弁財天 お堂
満願滝弁財天のお堂前の香炉 天邪鬼ならぬ天獅子でした

アクセスについて

施福寺へのアクセスは自家用車で行かれることをお勧めします。
私のカーナビでは施福寺駐車場とセットできたのですが、古いカーナビですと施福寺本堂にセットされてしまい
駐車場に辿り着けないことがあるようです。
そのような場合は槙尾会館にセットするとその先に施福寺の駐車場があります。
駐車場から徒歩約30分。

駐車場は約100台収容、料金は無料です。

公共交通機関

  • 南海難波駅内 泉北高速、和泉中央駅下車槙尾山口行きの南海バスで槙尾中学校前で下車 シャトルバスに乗換え終点で下車、徒歩約30分
  • 南海本線泉大津駅よりバス槙尾山行 約1時間

 

槙尾山 施福寺
京大阪府和泉市槇尾山町136
■霊場一覧
西国三十三所 第四番札所
和泉西国三十三所 第一番札所
西国愛染十七霊場 第十五番札所
神仏霊場巡拝の道  大阪十一番札所

■拝観時間
3月~11月 6:00~17:00
12月~2月 6:00~16:00
■本堂内拝観料
1人/500円

【今回の旅のルート】

『京都国立近代美術館』⇒『平安神宮』『四天王寺』⇒『あべのハルカス美術館』⇒大阪あべの泊⇒『施福寺』『根来寺』(マイカーで廻っています)

京都国立近代美術館では『技を極める―ヴァン クリーフ&アーペル展』を、あべのハルカス美術館では『奈良 西大寺展』を楽しみました。
なので、初日のコースは移動距離が多く参考にならないと思います。

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2017年8月16日 by gogogosyuinnagither

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