醍醐寺の御朱印と仏像と見どころ

もくじ
  1. 御朱印
  2. オリジナル御朱印帳
  3. 醍醐寺の歴史
  4. 醍醐寺の見どころ
  5. 上醍醐
  6. 下醍醐
  7. 三宝院
  8. 三宝院の特別拝観について
  9. 弥勒菩薩坐像(快慶作)
  10. 霊宝館
  11. 花の醍醐
  12. 紅葉の醍醐
  13. アクセスについて
*もくじをタップするとジャンプします。

御朱印

秀吉が再建し、『醍醐の花見』で有名な京都の醍醐寺でいただいた御朱印は5種類でした。

この他にも御朱印の種類がたくさんありますが、公式HPには8種類の御朱印と御詠歌がいただけると紹介されています。

①『薬師如来』 総本山醍醐寺
②『薬師如来』 西国薬師四十九霊場 第三十九番札所
③『薬師如来』 真言宗十八本山 第十二番札所
④『薬師如来』 神仏霊場巡拝の道 京都四十六番札所
⑤『根本准胝尊』 西国三十三所 第十一番札所
⑥『五大力尊』 近畿三十六不動霊場 第二十三番札所
⑦『神変』 役行者霊蹟札所
⑧『慈氏殿』 三宝院

①~⑦は下醍醐の観音堂にて授与
⑧は三宝院にて授与

醍醐寺の御朱印 薬師如来
醍醐寺の御朱印 五大力尊 准胝観音
醍醐寺の御朱印 慈氏殿 神変

オリジナル御朱印帳

醍醐寺では桜と五重塔をあしらった素敵なオリジナル御朱印帳が授与(販売)されています。

販売されている場所は、下醍醐の観音堂内の授与所です。

私が行った際には、オリジナル御朱印帳は全種売り切れ中とのことでした。
寺務の方曰く、「入荷してもすぐ売れちゃうんです」とのこと。

①水色ベースに桜と五週の塔 御朱印料(値段)1700円 サイズ18cm×12cm
②紫色ベースに桜と五重塔 御朱印料(値段)1700円 サイズ18cm×12cm
③黄緑ベースに桜のグラデーション 御朱印料(値段)850円
④水色ベースに総柄 御朱印料(値段)850円

醍醐寺の歴史

醍醐寺は、空海の孫弟子の聖宝(しょうぼう)が笠取山(現在の醍醐山)の山頂に准胝観音像と如意輪観音像を安置したのが始まりとされています。これは、現在の上醍醐です。
聖宝は皇室出身の僧侶でしたので、醍醐天皇の庇護のもと修験道として発展しました。

その後、醍醐天皇が醍醐山の麓に大伽藍を建立しました。これが現在の下醍醐です。

大変栄えていた醍醐寺ですが、応仁の乱の戦火により山麓の下醍醐の伽藍のほとんどが五重塔を残して焼失し、醍醐寺は荒廃してしまいました。

しかし、豊臣秀吉が茶室を設け、桜の木を植えて大規模なお花見(醍醐の花見)を催すと、それをきっかけに醍醐寺は再び隆盛を極めました。

平成6年(1994年)世界遺産に登録されました。

醍醐寺の見どころ

仏像好きとしては醍醐寺は外すことのできない重要なお寺です。

醍醐寺に伝わる寺宝を10万点以上収蔵していて、国宝や重要文化財に指定されているものだけでも7万5千点以上。
とんでもなく多くの寺宝があるんです!

ただし、この貴重な寺宝の数々が霊宝館でたっぷりたくさん見られるというわけではありません。

平成26年(2014年)に奈良国立博物館で開催された『醍醐寺のすべて』展では、それはそれはたくさんの密教の仏像や曼荼羅などを見ることができました。

展覧会などでしか、その多くは公開されないようです。

さて、醍醐寺の境内はとても広いです。
標高約450メートルの醍醐山全体が寺領となっていて、その広さは約200万坪、東京ドーム140個分なのだそうです。

そんな広い境内は、上醍醐・下醍醐・三宝院の3つのエリアに分かれています。
以下で、エリアごとの見どころをご紹介します。

上醍醐

上醍醐は、山頂へ向かう参道にお堂が点在する山岳修行の場となっています。

うっかり観光気分で行くと失敗します!
標高450mの山を登るという心構えと身支度で行かれることをお勧めします。

山頂の開山堂までの所要時間は、各お堂をちゃんと見て進むと片道2時間ほどかかるそうです。
国宝や重要文化財のお堂が立ち並んでいて、とてもみごたえのある場所です。

上醍醐には、醍醐水という霊水の泉があります。
この醍醐水とは、聖宝が醍醐寺を建立する際に見つけたと伝わる霊水です。伝説によると、この山を守護する横尾明神(よこおみょうじん)が聖宝の前に現れてこの水を飲み、「醍醐なるかな」と言い残して消えたといわれています。
醍醐寺・醍醐山の名は神様の発したこの言葉が由来と伝わります。

現在もこの水は飲むことができます。
下醍醐の観音堂内の授与所では、この醍醐水がペットボトルに入って販売されています。

私は上醍醐へは行きませんでした。
理由は、
①よく調べずに行ったので、片道1時間以上もかかる登山は時間と装備が足りなかった。
見たいと思っていた各お堂にもともとあった仏像は、ほぼ全てが文化財に指定されていて、霊宝館に収蔵されているとのこと。(非公開)
現在は、新しく作られたご本尊が安置されています。
でも五大堂だけでも見ておきたかった!と後悔しています。

下醍醐

下醍醐エリアは、醍醐寺のメインの拝観場所で見どころの多くがこのエリアにあります。

西大門

この西大門から先のエリアが下醍醐の伽藍です。

1605年(慶長10年)に豊臣秀吉によって再建されました。左右には仁王がいて、門を通る人に睨みを利かせています。
この仁王像は、平安後期(1134年)、仏師勢増・仁増の作と伝わっています。

醍醐寺 西大門
醍醐寺 西大門 阿形吽形

 

国宝 金堂(本堂)

醍醐時の中心のお堂で、本堂に当たります。
醍醐天皇の御願によって926年に創建されました。創建当時は釈迦堂と呼ばれていたのだそうです。

現在の金堂は、秀吉の命によって紀州(和歌山県)湯浅から移築されたものです。

お堂の扉が開いて、お堂の外から常時拝観できます。

金堂の内部には、
中央に薬師如来坐像、左右に日光月光菩薩立像、さらに両サイドに四天王がおわします。

拝観はお堂の外の、賽銭箱の前からとなります。
拝観できる場所から、内陣まではけっこう距離があります。
祭壇の飾りで、日光月光の両菩薩様は全く見えませんでした。
お天気が良いと、毎度ながらお堂の中が暗く、仏像までも距離があるのでとっても見えにくいです。

醍醐寺 金堂
醍醐寺 金堂内部
ー醍醐寺のすべて展図録よりー

 

国宝 五重塔

塔の内部は一般公開されていません。

五重塔は、醍醐寺を代表する建物の一つで、京都で最も古い木造建築物で、応仁の乱の戦火などを免れ建立当時のままの姿で現存している建物です。

高さ約38mのうち、屋根の上の相輪の部分が13mもあるのだそうです。

醍醐天皇の菩提を弔う(冥福を祈って供養する)為に、息子の朱雀天皇と村上天王によって建てられました。

塔の内部は、両界曼荼羅(りょうかいまんだら)や真言八祖(しんごんはっそ)が描かれているのだそうです。
一般的な密教系の五重塔の内部の様な、五智如来像は安置されていないようです。

醍醐寺 五重塔

 

不動堂・護摩道場

お堂の扉が開いて、お堂の外から常時拝観できます。

お堂の内部には、不動明王を中心に五大明王が安置されています。

お堂の前には護摩道場があり、護摩法要が行われます。

因みに、日々行われる護摩祈祷は駐車場付近にある報恩院にて行われます。
毎日13時より、堂内の不動明王立像の前で護摩が焚かれます。
毎日護摩祈祷が行われるので、報恩院のお不動さんは真っ黒です!

醍醐寺 不動堂

 

観音堂

西国三十三所の第十一番札所のお堂です。
このお堂で、三宝院以外の御朱印がいただけます。
その他、お守りや御朱印帳、醍醐水などの授与品もこちらでいただけます。

昭和5年(1930年)に醍醐天皇の一千年忌を記念して建てられました。
現在は消失した上醍醐の准胝堂の西国札所が仮に移されていて、「観音堂」と改称されているのだそうです。

ご本尊の大きな准胝観音菩薩坐像が安置されています。

弁天堂

下醍醐エリアの奥に美しい林泉(池)と、池にかかった橋から渡る小さな弁天堂があります。

弁天堂の中には、音楽や芸事の女神である弁財天がお祀りされています。

紅葉の季節には、池のほとりの色づいた紅葉が水面に映り込んでとっても素敵な景色となります。

この池のほとりにはお休みどころ寿庵というお茶屋さんがあり、この素晴らしい景色を見ながらいただくお抹茶は最高の時間です。

醍醐寺 弁天堂
醍醐寺 弁天堂と池

 

三宝院

三宝院は下醍醐エリアより手前にあります。
派手好きだった秀吉ゆかりのド派手な唐門が目印です。

三宝院は1115年に醍醐寺14代座主の勝覚(しょうかく)によって建てられました。

三宝院には、国宝である表書院・唐門、その他豊臣秀吉に縁のあるものがたくさんあります。

快慶作の弥勒菩薩坐像はこの三宝院の特別公開エリア弥勒堂におわします。

国宝 唐門

三宝院の唐門は天皇の使者を迎えるときにだけ開く勅使門です。
派手好きだったと伝わる秀吉ゆかりの門です。

左右に天皇家の菊の家紋、中央には豊臣家の桐の家紋をド派手に大きく金色であしらった絢爛豪華な門です。

醍醐寺 国宝 唐門

 

国宝 表書院

表書院は秀吉が設計したと伝わるお庭に面しています。
下段・中段・上段の3つの間があり、下段の間は別名「揚舞台の間」と言われています。
畳をあげると能舞台になるのだそうです。中段・上段の間は揚舞台より一段高く、能楽や狂言を高い位置から鑑賞できるようになっています。

上段・中段の間には長谷川等伯一派の描いた「四季の柳」や「山野の景色」の襖絵があります。

この場所でお庭や襖絵を眺めてゆっくりしている人がたくさんいました。

藤戸石

「天下を治める者が所有する石である」と室町時代から歴代の権力者によって引き継がれてきた石です。
「天下の名石」ともいわれます。

なんだか四角い石で、お庭の真ん中にあるのですが、
これは、秀吉の命により「醍醐の花見」の後、聚楽第(じゅらくだい)より運び込まれ「主人石」としてお庭の中心に置かれたのだそうです。

左右に藤戸石より低い石を置いて、阿弥陀三尊を表す「三尊組」となっています。

特別公開エリアの奥宸殿の秀吉が座っていたその位置に座ると、この「天下の名石」がお庭の景色のぴったり真ん中正面にくるように設計されているのだそうです。

もちろんその場所に座らせていただきました。秀吉がみた景色と同じ景色を見てまいりました。

太閤しだれ桜

三宝院の大玄関前に大きなしだれ桜があります。
このしだれ桜は、奥村土牛画伯の代表作「醍醐」のモデルとなった桜なのだとか。

 

三宝院の特別拝観について

三宝院の通常非公開区域となっている「本堂(弥勒堂)・奥宸殿」は毎年春に特別拝観が行われます。

毎年ほぼ同じ時期に特別拝観が行われます。
2017年の公開期間を掲載しますので参考にしてください。

醍醐寺 平成29年 三宝院特別拝観のご案内
■期間 2017年3月25日(土)~5月7日(日)
■場所 本堂(弥勒堂)、奥宸殿
■時間 9:00~16:00(受付は15:30まで)
■拝観料 500円
※弥勒菩薩坐像の公開は4月21日(金)まで、 4月23日(日)からは如意輪観音坐像の公開となります。
※行事などの都合により、拝観いただけない場合がございます。

私の記憶が確かなら、私の訪れた2015年は特別拝観料は1人1000円だったと思います。

醍醐寺 鬼瓦

 

特別公開 弥勒菩薩坐像(快慶作)

三宝院の本堂にあたる弥勒堂には快慶作の弥勒菩薩坐像がおわします。

弥勒菩薩とは、お釈迦様が亡くなって仏の教えが廃れ、人々が救われなくなった時代(56億7千万年後)に、この世に降りたち人々を救う予定の仏様です。

1192年に醍醐寺座主・勝賢が、後白河上皇の冥福を祈って作ったものです。
像の膝の裏には「巧匠アン(梵字)阿弥陀仏」という快慶の銘分があります。

この弥勒菩薩坐像は私の好きな仏像TOP5に入るほどに大好きな仏像です。
男らしく躍動感のある運慶の作とは違い、繊細で左右対称の整ったお顔立ち、尊い仏様って感じがたまりません。

三宝院の弥勒堂を拝観する際は、実際には弥勒堂の中には入れません。
弥勒堂の入り口の廊下から、遠くにおわす弥勒菩薩像を食い入るように前のめりでみるかたちになります。
こんなこともあろうかと、常にオペラグラス的なものを常備していますので、仏様に失礼を承知でそれを使って穴が開くほど拝見しました。

色彩は金一色なのに、そのアクセサリーや光背(後ろの板)のデザインで、言葉に表せないたまらない雰囲気が醸し出されています。
蓮華座という蓮の花をモチーフにした台座に座しておられるのですが、この蓮華座の下にさらに台座があり、
その台座の小窓から獅子が覗いているんです!

醍醐寺 国宝 弥勒菩薩像 快慶
ー快慶展図録より

 

醍醐寺 三宝院 弥勒堂
ー醍醐寺のすべて展図録よりー

 

霊宝館

霊宝館は、醍醐寺に伝わる寺宝を10万点以上収蔵しています。
国宝や重要文化財に指定されているものだけでも7万5千点以上あります。

ただし、この貴重な寺宝の数々が霊宝館でたっぷりたくさん見られるというわけではありません。

霊宝館はとても広い空間なのですが、入ると「あれれ?」となる程に空間をゆったりと使われています。

国宝の薬師三尊や象に乗った帝釈天像や牛に乗った閻魔天像などがみられます。

国宝 薬師如来坐像
日光菩薩 月光菩薩

もとは上醍醐の薬師堂のご本尊だった三尊像です。

平安時代の作で中尊の薬師如来坐像は「半丈六」というサイズなのだそうですが、通常の半丈六サイズより少し大きい像高177cmです。

光背(後ろの板)が特徴的で、小さな仏様(化仏)が六軀ついています。本体の薬師如来と合わせて七仏薬師(しちぶつやくし)というものを表現しているのだとか。

帝釈天騎象像

昭和55年(1980年)頃まで、上醍醐の薬師堂に安置されていました。
象に乗った帝釈天は珍しいですが、東寺講堂の帝釈天と同じタイプなのだそうです。

閻魔天騎牛像

これが閻魔天?と思うような五大明王の中にいそうな見た目です。
平安時代の作で、ヒノキの寄木造り。

こちらのお像は、上醍醐にあったという記録はないようで、1142年頃に醍醐寺に献上されたものと推測されるのだとか。

 

醍醐寺 霊宝館内
ー醍醐寺のすべて展図録よりー

花の醍醐

醍醐寺は桜の名所です。
境内には、しだれ桜・山桜・ソメイヨシノなど約千本の桜が植えられており、その美しさは「花の醍醐」という別名があるほどです。
桜の見ごろは、3月下旬から3週間程度の間です。
桜の花が見頃を迎える頃には、桜のライトアップや夜間拝観が行われます。

毎年4月の第2日曜日に、豊臣秀吉による醍醐の花見を再現した「太閤花見行列」が開催されます。
桃山時代の装束を身に着け、秀吉・北政所・淀殿などに扮した約200人が境内を練り歩く時代行列や舞楽の奉納などが行われます。

紅葉の醍醐

醍醐寺 秋の夜間拝観 紅葉ライトアップ
■期間 平成29年 11月17日~12月3日
■拝観時間 午後6時~午後8時50分(但し午後8時10分受付終了)
■拝観場所 醍醐寺 下伽藍(金堂、五重塔、林泉、無量寿苑)
※夜間照明
■拝観料 1000円 団体800円(20名以上)
※拝観料は、当日受付にて承ります。

醍醐寺は紅葉の名所でもあります。
西大門(仁王門)から続く参道の紅葉のトンネルや、紅葉に囲まれた弁天堂はとても美しいです。

紅葉の見ごろは11月中旬から12月上旬で、見ごろには紅葉のライトアップや夜間特別拝観が行われます。

アクセスについて

【公共交通機関でのアクセス】

■JR東海道線と地下鉄東西線
『京都駅』よりJR東海道線→『山科駅』より地下鉄東西線→『醍醐駅』下車、徒歩13分
■JR奈良線と地下鉄東西線
『京都駅』よりJR奈良線『六地蔵駅』より地下鉄東西線→『醍醐駅』下車、徒歩13分
■京阪バス・山科急行
『京都駅八条口』8番乗り場→『醍醐寺』下車、徒歩4分
■京阪バス・山科急行
『JR山科駅』1番乗り場→『醍醐寺前』下車、徒歩3分

【駐車場】

駐車場があります。
■収容台数 100台
■料金 入庫後5時間以内700円、以降30分毎100円
■利用時間 9:00~16:20
(12月第1日曜~2月末までは~15:20まで)

 

総本山 醍醐寺
京都市伏見区醍醐東大路町22
霊場
西国三十三所 第十一番札所
西国薬師四十九霊場 第三十九番札所
近畿三十六不動霊場 第二十三番札所
真言宗十八本山 第十二番札所
役行者霊蹟札所
真言宗十八本山 第十二番札所
拝観時間
9:00~17:00
(12月第1日曜日~2月末日は~16:30まで)
■三宝院・霊宝館・伽藍共通拝観料
春季・秋季(3/20~5/15・10/15~12/10) 大人1500円
通常期 大人800円

【今回の旅のルート】

『醍醐寺』⇒『随心院』⇒『勧修寺』⇒『法界寺』と廻りました。(マイカーで廻っています)

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2017年10月22日 by gogogosyuinnagither

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