- 輪王寺の御朱印とオリジナル御朱印帳
- 輪王寺の歴史
- 輪王寺の見どころ
- 三仏堂
- 大護摩堂
- 薬師堂(本地堂)※東照宮の中にあります
- 常行堂
- 法華堂
- 大猷院 仁王門
- 大猷院 御水舎
- 大猷院 二天門
- 大猷院 夜叉門
- 大猷院 唐門
- 大猷院 拝殿(国宝)
- 大猷院 皇嘉門
- アクセスと駐車場について
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輪王寺の御朱印とオリジナル御朱印帳
輪王寺でいただける御朱印やオリジナル御朱印帳、おすすめの拝観ルートについては、別のページで詳しく紹介しています。
輪王寺の御朱印やオリジナル御朱印帳と拝観ルート
御朱印 限定御朱印 オリジナル御朱印帳 おすすめ拝観ルートと御朱印授与所 輪王寺の見どころ アクセスと駐車場について *もくじをタップするとジャンプします。 ・ 御朱印 日光東照宮と隣接している輪王寺では7種類の御朱印を…
輪王寺の歴史
輪王寺(りんのうじ)は栃木県日光市にある天台宗の門跡寺院です。
『東照宮(とうしょうぐう)』『二荒山神社(ふたらさんじんじゃ)』とあわせて「二社一寺」と呼ばれています。
輪王寺の創建は古く、奈良時代(766年)勝道上人によって開かれた四本龍寺(しほんりゅうじ)をルーツとします。
平安時代に入ると、弘法大師空海により滝尾権現を始めとするお堂が建てられ伽藍となりました。次いで、慈覚大師円仁によって三仏堂や常行法華堂が建てられました。
その後、源頼義など源家代々の厚い信仰により、鎌倉時代には初めて皇族が座主に就任しました。
その後の時代にも多くの皇族座主が就任し輪王寺はとても栄えたそうです。
江戸時代(1653年)には、3代将軍徳川家光の霊廟である『大猷院(たいゆういん)』が建てられました。
後の1655年、御水尾上皇より『輪王寺』の寺号が贈られ日光山輪王寺となりました。それ以前は、平安時代に嵯峨天皇より贈られた寺号『満願寺』であったそうです。
平成19年(2007年)から2018年までは平成大修理として、三仏堂の大規模修理が行われています。
輪王寺の見どころ
輪王寺は「三仏堂エリア」「東照宮エリア」「大猷院エリア」の3つのエリアにお堂があり、複雑な境内をしています。
明治時代の神仏分離でこのようなややこしい配置になってしまったそうです。
輪王寺の特に「大猷院エリア」には、東照宮のように多くの素晴らしい彫刻が施された建物がたくさんあります。
その他にも多くの見どころがありますが多すぎますので、ここではサクッと見ておいた方が良いお堂(メインどころ)を紹介します。
詳しい説明や、その他の見どころは下記でご紹介します。
【見ておいた方が良いお堂(メインどころ)】
- 三仏堂・・・大きくて金ピカな仏像が3体
- 薬師堂・・・天井の鳴龍・十二神将という12体の仏像
- 常行堂・・・珍しい孔雀に乗った仏様(特別公開)
- 夜叉門・・・陽明門にあたる門、膝にゾウのついた仏像
- 大猷院拝殿(国宝)・・・金閣殿と呼ばれる黄金の内装と加納探幽の絵
三仏堂
三仏堂(さんぶつどう)は、平成19年(2007年)から2018年まで平成大修理が行われています。
期間中(2018年3月まで)は、中陣(ちゅうじん)に通路が設けてあり三仏を近くで拝めます。
修理が終わってしまうと、外陣(がいじん)といって大きなお賽銭箱のある位置からしか拝むことができなくなります。
三仏堂は、平安時代の初めに慈覚大師円仁が来た際に創建されました。
比叡山延暦寺や書寫山圓教寺のお堂と同じように、内陣(仏様が祀られている奥の間)が一段下がった石畳になっています。
これは、天台密教形式のお堂の造りなのだそうです。
ご本尊の三仏は、向かって右に千手観音菩薩坐像、中央に阿弥陀如来坐像、向かって左に馬頭観音菩薩坐像が安置されています。
三仏は丈六(じょうろく)と呼ばれるサイズで高さが約2.5mと大変大きな仏像です。近年修復を終えたばかりなので、仏像全体から光背(こうはい・後ろの飾り板)から台座まで金色がピカピカに輝いています。
この3軀の仏像は三尊ともご本尊で、左右の2軀が脇侍というわけではありません。
千手観音菩薩を男体、阿弥陀如来を女体、馬頭観音菩薩を太郎とみたて家内安全のご利益があるのだとか。
三仏堂の内部には、この他にも多くの仏像が安置されていました。
大護摩堂
大護摩堂は平成10年(1998年)に完成した護摩祈願の道場です。
幅約35メートル、奥行約19メートル、高さ約20メートルのとても大きなお堂です。
毎日朝7時半・午前11時・午後2時の3回お護摩の修法が行われています。
ご本尊は、平安中期に造られた五大明王と江戸時代に造られた十二天です。さらに七福神や慈覚大師などの仏像も安置され、合わせて30尊もの仏像が横幅の広い内陣にずらりと並んでいます。
十二天はあまり出会えない珍しい仏像なので、奥行きがかなりあってほとんど見えないのですが、頑張ってそのお姿を目に焼き付けました。
五大明王 内陣中央に左から
大威徳明王(だいいとくみょうおう)…水牛に乗ってる
軍荼利明王(ぐんだりみょうおう)…腕に蛇を巻いてる
不動明王(ふどうみょうおう)
降三世明王(こうざんぜみょうおう)…シヴァ神と烏摩妃(うまひ)を踏んでる
金剛夜叉明王(こんごうやしゃみょうおう)…正面の顔に5つの目がある
十二天
五大明王より向かって左側左から
閻魔天(えんまてん)
羅刹天(らせつてん)
月天(がつてん)
水天(すいてん)
地天(ちてん)
風天(ふうてん)
五大明王より向かって右側左から
毘沙門天(びしゃもんてん)
伊舎那天(いざなてん)
梵天(ぼんてん)
日天(にちてん)
火天(ひてん)
薬師堂(本地堂)※東照宮の中にあります
薬師堂(やくしどう)は、正しくは本地堂(ほんじどう)という名のお堂です。
薬師堂は、東照宮の有料拝観エリアにあります。
薬師如来をご本尊とするお堂で、東照宮の境内の中では一番大きなお堂なのだそうです。
このお堂に入ると、一定の人数ごとにお坊さんが鳴龍や仏像についての説明をしてくださいます。説明は日本語と英語で、東照宮に外国人観光客が多いことを実感させられます。
鳴龍(なきりゅう)とは、お堂の内陣の天井に描かれた龍のことです。34枚の檜の板に描かれていて6m×15mのとても大きな絵です。
なぜ鳴龍かといえば、龍の頭の下で手を叩くと龍が鳴いているように音が響き渡るからです。龍の顔以外の場所で叩いても音は響きません。
この実演をお坊さんがしてくださいます。
ご本尊の薬師瑠璃光如来は秘仏で、お堂内陣の中央にとても豪華で大きなお厨子があり、扉は閉じられていました。
ご本尊のお厨子の左右に、薬師如来の脇侍である日光菩薩(にっこうぼさつ)と月光菩薩(がっこうぼさつ)、さらに左右に6軀ずつ薬師如来の眷属(けんぞく)である十二神将(じゅうにしんしょう)が安置されています。
十二神将はそれぞれ頭に十二支の干支をのせています。自分の生まれ年の神将を拝むことで厄災よりお護りしていただけるのだとか。
常行堂
常行堂(じょうぎょうどう)とその隣にある法華堂(ほっけどう)は「二つの堂」「担い堂」と呼ばれています。
2つのお堂の間は廊下が橋のようにつながれていて、廊下の部分を肩に担いで持ち上げることから「担い堂」と呼ばれるのだとか。
この2つのお堂が廊下でつながっているタイプのお堂は、比叡山延暦寺にもあるのだそうです。
堂内、右手奥には小さな鳥居があり、お堂の中で神仏習合(神社とお寺が一緒になっている)がみられるとても珍しい場所となっています。
常行堂とは、天台宗の修行である常行三昧(じょうぎょうざんまい)を行うお堂です。お堂の中心に阿弥陀如来が安置された須弥壇(しゅみだん)があり、その周りを念仏を唱えながら90日間不眠不休で廻り続けるという修行です。
常行堂のご本尊は、冠をかぶりクジャクに乗ったとても珍しいお姿をした阿弥陀如来坐像です。仏教では、クジャクはヘビを食べることから解毒と癒しの象徴とされているそうです。クジャクに乗った阿弥陀様を見られるのはこの輪王寺の常行堂の他にはないのだそうです。
中尊の阿弥陀如来を取り囲むように四方にクジャクに乗った菩薩が4躯配置されています。中尊は平安時代から伝わる仏像で、他の4菩薩も鎌倉か室町時代より伝わるものと推測されているようです。
阿弥陀五尊像の五尊が揃っているのはとても貴重な例だそうです。
中尊の像高は約70cm、まわりの4菩薩の像高は約30cmと全体的に小さなく繊細な印象の仏像でした。
修理を完成し終えたばかりなので、仏像5軀は金色に輝いていて、クジャクのピーコックグリーンがとても鮮やかでした。
柱や天蓋も修復したての鮮やかな極彩色で美しかったです。
法華堂
法華堂(ほっけどう)とその隣にある常行堂(じょうぎょうどう)は「二つの堂」「担い堂」と呼ばれています。
2つのお堂の間は廊下が橋のようにつながれていて、廊下の部分を肩に担いで持ち上げることから「担い堂」と呼ばれるのだとか。
この2つのお堂が廊下でつながっているタイプのお堂は、比叡山延暦寺にもあるのだそうです。
848年に慈覚大師円仁によって開創されたものです。
2つのお堂を見比べてみると、向かって左の常行堂は和様、向かって右の法華堂は唐様の建築の特徴になっています。
2つのお堂の中間に立って建築の特徴を比べてみるのもよいでしょう。
大猷院 仁王門
仁王門は「大猷院エリア」の入り口となる門です。
2軀の仁王像(金剛力士像・こんごうりきしぞう)がお祀りされています。
向かって右は、密迹金剛(みっしゃくこんごう)という名前の仏像で「阿(あ)」と口を開いています。阿形(あぎょう)とも呼ばれます。
向かって左は、那羅延金剛(ならえんこんごう)という名前の仏像で「吽(うん)」と口を結んでいます。吽形(うんぎょう)とも呼ばれます。
物事の始まりと終わりを表し、また「阿吽の呼吸」の語源にもなったと言われています。
どちらの仁王も絢爛豪華な裙と呼ばれる腰巻スカートを着けておられます。阿形は獅子、吽形には龍の模様があしらわれています。
門の上部には、輪王寺の御朱印帳の図柄にもなっている唐獅が、悪い奴が入って来ないかと見張っています。
大猷院 御水舎
御水舎は、神聖な場所へ入るために手や口を清めるための場所です。
唐破風(からはふ)という軒にカーブのついた豪華な建物で、12本の御影石の柱で支えられています。
とても優雅な印象で、豪華な装飾の細部の繊細な技法は、東照宮のものをはるかに凌いでいるのだそうです。
天井には、可能永信康信(かのうえいしんやすのぶ)による龍の絵が描かれています。水面に映る姿から、「水鏡の龍」と呼ばれていたそうです。
大猷院 二天門
御水舎と向き合う位置の石段を登った先に二天門はあります。
八脚楼門入母屋造りで、こちらも美しいカーブを描いた唐破風(からはふ)がついています。
軒下には徳川家光の戒名である「大猷院(たいゆういん)」と書かれた大きな扁額(へんがく)が掲げられています。
この扁額の文字は後水尾天皇の筆によるものだそうです。
正面向かって左側には東の守護神「持国天(じこくてん)」、右側には西の守護神「広目天(こうもくてん)」が祀られています。
裏側には「風神(ふうじん)」と「雷神(らいじん)」が祀られていることから、別名「雷門」とも呼ばれているのだそうです。
残念ながら、2017年は修復中の為「二天門」を見ることはできませんでした。
大猷院 夜叉門
夜叉門(やしゃもん)は、東照宮の陽明門(ようめいもん)にあたる門です。
正面と背面の左右に「四夜叉(よんやしゃ)」が祀られていて、とても多くの彫刻が施されています。
これほどまでにたくさんの彫刻が施された夜叉門ですが、東照宮の陽明門の彫刻の数よりは少ないのだそうです。
牡丹唐草の彫刻で埋め尽くされていることから、別名「牡丹門」とも呼ばれています。
4人の夜叉の名はそれぞれ
毘陀羅(びだら)正面左の赤い夜叉
阿跋摩羅(あばつまら)正面右の緑の夜叉
烏摩勒伽(うまろきゃ)背面左の青い夜叉
犍陀羅(けんだら)背面右の白い夜叉
この門の注目ポイントは、四夜叉の1軀である烏摩勒伽です。
門をくぐった右、向かって左側に烏摩勒伽は祀られています。
烏摩勒伽は日本で唯一、この夜叉門にのみ祀られています。
烏摩勒伽が手にしている金の矢は「破魔矢(はまや)」といって、お正月の縁起物として神社やお寺で授与される矢の発祥となったものなのだそうです。
さらに、烏摩勒伽の膝にはゾウが付いています。
この膝についたゾウが膝小僧お由来だとか、そうでないとか。
大猷院拝殿内の授与所にて、この烏摩勒伽が手にしている破魔矢のカッコいいパージョンが授与されています。
金色に上り龍が巻き付いた「龍神破魔矢」1つ3000円です。
家光の月命日である毎月20日には特別な祈祷がされているのだそうです。
大猷院 唐門
唐門(からもん)とは、中国風の門という意味です。大猷院の中で最も小さな門ですが、装飾はとても豪華で気品のあるものなのだそうです。
前後の唐破風(からはふ・屋根のカーブ)の下には雌雄の2羽の丹頂鶴、白龍、たくさんの鳩、左右の壁には秋の七草が彫刻されています。
一般的には南か西向きにたてられますが、この唐門は北東向きに建てられています。その方角に東照宮があるからです。
大猷院 拝殿(国宝)
国宝の拝殿と本殿とそれを繋ぐお堂、3つの堂が続いている造りになっています。
別名「金閣殿(きんかくでん)」と呼ばれるように、内部は畳以外の全てが金箔で埋め尽くされています。
天井には140枚の龍の絵があります。この龍には2種類に分かれていて、宝球を持っているものと持っていないものがいます。
宝球を持っている龍は、私たちの願いを天に届けてくれる登り龍
宝球を持っていない龍は、願いを届けて帰っていた下り龍となっています。
拝殿の左右の壁には加納探幽と永間康信の筆による唐獅子狛犬が描かれています。
向かって左から2番目の獅子は、教科書に載っている有名な加納探幽の獅子の絵です。
手の届くほどの距離で見ることができます。
拝殿内の授与所の隣には、鎧が展示されています。
兜には勝虫であるトンボが付いています。この鎧は家光が成人式に着たものなのだとか。
大猷院 皇嘉門
拝殿の奥にある5つ目の門が皇嘉門(こうかもん)です。
明(みん)の時代の建築様式で龍宮門というタイプのデザインです。
この奥には家光公のお墓があります。
この門は常に閉ざされていて、徳川家の子孫の方がお墓参りに来た時にしか開かないのだそうです。
アクセスと駐車場について
【公共交通機関でのアクセス】
■東部日光駅より バスで約10分
2Bバス乗り場『世界遺産めぐり』バス
⇒『勝道上人像前』下車(三仏堂に近い)
⇒『表参道』下車(日光山輪王寺・東照宮正面参道)
■JR日光駅より バスで約10分
1Bバス乗り場『世界遺産めぐり』バス
⇒『勝道上人像前』下車(三仏堂に近い)
⇒『表参道』下車(日光山輪王寺・東照宮正面参道)
【駐車場】
輪王寺には第1駐車場と第2駐車場があります。
第1駐車場はバス専用です。自家用車で行く際は第2駐車場をご利用ください。
■収容台数 100台
■料金 1日500円
■時間 4月~10月 8:00~17:00 11月~3月 8:00~16:00
【日光観光駐車場まとめ】
①『東照宮大駐車場』
■収容台数 普通車200台
■料金 1日600円(普通車)
東照宮大駐車場GoogleMAP
②『日光山輪王寺第二駐車場』
■収容台数 普通車100台
■料金 1日500円(普通車)
日光山輪王寺第二駐車場GoogleMAP
③『二荒山神社駐車場』
■収容台数 普通車50台
■料金 1日500円(普通車)
二荒山大駐車場GoogleMAP
④『日光市営駐車場 西参道第1駐車場』
■収容台数 普通車73台
■料金 1回510円(普通車)
日光市営駐車場 西参道第1駐車場GoogleMAP
⑤『日光市営駐車場 西参道第2・第3駐車場』
■収容台数 普通車140台
■料金 1回510円(普通車)
日光市営駐車場 西参道第2・第3駐車場GoogleMAP
■札所
下野七福神 毘沙門天
■拝観時間
4月~10月 8:00~17:00(閉門)
11月~3月 8:00~16:00(閉門)
※拝観受付は閉門の30分前まで
■料金
【セット券(三仏堂・大猷院)】
大人 900円
小中学生 400円
【単独拝観 三仏堂】
大人 400円
小中学生 200円
【単独拝観 大猷院】
大人 550円
小中学生 250円
【単独拝観 宝物殿・逍遥園】
大人 300円
小中学生 100円